【事業者向け】東京都内で建設業許可(知事・一般)を取るための5つの条件をやさしく解説

query_builder 2025/08/19
建設業許可
【事業者向け】東京都内で建設業許可(知事・一般)を取るための5つの条件をやさしく解説

こんにちは。リーガラクト行政書士事務所の代表行政書士、加藤です。


建設業の許可は、元請・下請を問わず、一定規模以上の工事を請けるための「営業の土台」です。

ここでは都内で初めて建設業許可の申請する方向けに、知事許可(一般建設業)の要件を5つの柱に分けて、現場目線で分かりやすく解説します。

最後にチェックリストよくあるつまずきもまとめていますので、そちらもご活用ください。



1. 経営を適正に管理できる体制(経営業務管理体制)があること


どんな人が必要?


法人なら常勤役員のうち1名、個人なら本人または支配人のうち1名が、建設業の経営に関する一定の経験を持っている必要があります。代表的な満たし方は次のとおりです。


    • 建設業で5年以上「経営業務の管理責任者」としての経験

    • または、5年以上「管理責任者に準ずる地位(権限委任あり)」として経営管理をした経験

    • または、6年以上「準ずる地位」として管理責任者を補佐した経験

    • 経営経験の年数が十分でない役員等を直接補佐する人材(財務・労務・業務運営の各分野で5年以上)を配置することを前提に、

      • 建設業の役員等として2年以上+(役員等またはそれに次ぐ地位で)5年以上の経験、

      • もしくは5年以上の役員等経験+建設業の役員等経験2年以上、のいずれかを満たす。

  • :国土交通大臣が、上記と同等以上の体制と認めたもの。


社会保険の加入は必須


申請時点で健康保険・厚生年金・雇用保険に加入していることが条件です。直近分の保険関係の写し等で確認されます。未加入は受理前に是正を求められる典型例です。


証拠資料のイメージ

  • 履歴事項全部証明書(役員の在任期間)

  • 役職や権限委任を示す社内規程・辞令

  • 工事の受注体制が分かる書類(組織図・決裁権限表 等)

  • 社会保険の適用事業所確認書類


よくあるNG

  • 「非常勤」名義の役員で経験を積んだ扱いにしている

  • 役員歴はあるが建設業の役員経験でない

  • 経験年数の起算・終期の誤り(在任日数の積算不足)

  • 社会保険の未加入・種別誤り



2. 営業所ごとに「専任技術者」を常勤配置すること


誰がなれる?


以下のいずれかを満たせば、一般建設業の専任技術者になれます。

  • 関連学科を卒業し、高卒・中等教育卒は5年以上、短大・高専・大卒は3年以上の実務経験

  • 10年以上の実務経験

  • 対象業種に応じた国家資格(例:施工管理技士、建築士 など)

  • 指定の技能検定合格 等


「実務経験」の証明


工事内容・工期・請負金額が分かる工事実績書類で証明します。
典型的には、請負契約書、注文書・請書、請求書、出来高書類等を継続性が分かる形で揃えます。社内作成の一覧のみでは足りません。

常勤性の注意点

  • 「その営業所に常勤し、専らその職務に従事」することが原則

  • 他営業所との兼務や、別会社との兼業は原則不可(やむを得ず認められる例でも、勤務実態が厳しく確認されます)

  • 派遣・業務委託のみの在籍は不可


よくあるNG

  • 実務経験を示す書類が金額・工期・工種のいずれか欠落

  • 資格はあるが業種の適合が取れていない(例:土木で建築資格のみ)

  • 住民票上の住所や給与の支払実態から常勤実態が疑われる



3. 財産的基礎・金銭的信用があること(資金要件)


一般建設業では次のどちらかで満たします。


  • 自己資本500万円以上

    • 新設法人・個人:開始貸借対照表で確認

    • 決算済み:直前期の貸借対照表確定申告書で確認

  • 500万円以上の資金を調達できる能力

    • 金融機関の**預金残高証明書(申請日前28日以内発行)**で確認

実務のコツ


  • 自己資本充足ルートは、利益剰余金の不足役員貸付金過多で座礁しがち。必要に応じて増資・資本振替等の検討を

  • 残高証明ルートは、名義(申請者名)一致発行日に注意。複数通貨・複数口座の合算は取扱いが分かれるため、原則1通で500万円超が安全

  • 借入金による一時的な残高かは直接否定されませんが、資金の実在・継続性を問われる場合があります


よくあるNG

  • 直前期決算で債務超過(自己資本がマイナス)

  • 残高証明が古い(28日超)

  • 口座名義が代表者個人で会社口座と誤認



4. 欠格要件等に該当しないこと

申請者(法人なら役員等、個人なら事業主や一定の使用人)が、法定の欠格事由に当たらないことが必要です。代表例は次のとおり。


  • 破産手続中で復権していない

  • 許可取消から5年以内

  • 禁錮以上の刑、または特定の法令違反による罰金以上の刑から5年以内

  • 暴力団員等との関係

  • 心身の故障により業務遂行に支障がある場合

  • 請負契約に関して不正・不誠実が明らか


実務のコツ


  • 役員だけでなく、支店長・営業所長等の重要な使用人も対象になり得ます

  • 反社会的勢力との関係は誓約書での確認が通例。万一の疑義は取引遮断の履歴等で説明準備を

  • 刑の執行終了日や執行猶予期間などの期日計算を誤らない



5. 実体ある営業所を有すること


形式的な住所や間借りではなく、建設業の営業を行う拠点が必要です。


必要なポイント

  • 常時使用の権限(自社名義の賃貸借契約・使用承諾 等)

  • 商号・屋号の表示(建物外観や入口で分かるサイン)

  • 固定電話・事務機器・机等の什器備品

  • 代表者(支店等の代表者)が常勤し、契約締結権限の委任がある

  • 専任技術者がその営業所に常勤し、専ら職務に従事

  • 許可取得後は、営業所ごとに許可票の掲示が必要


注意したい運用

  • バーチャルオフィス・郵便受けのみは原則不可

  • 自宅兼事務所は、独立した業務スペース・表示・固定電話等の実体が整えば認められる場合あり

  • シェアオフィスは専用区画・常時使用の証明が鍵。共用のみは難しいことが多い


書類の例

  • 賃貸借契約書(使用目的・期間・面積)

  • 室内外写真(表札・デスク・機器・固定電話)

  • 代表者への権限委任状、社内規程・職務権限表



申請の基本フロー(全体像)


  1. 要件の適合診断(経営・技術・資金・営業所・欠格の5本柱)

  2. 証拠資料の収集・整備(在任証明、工事実績、決算書/残高証明、賃貸契約、写真、保険加入確認 等)

  3. 申請書作成(業種選定、経営・技術の裏付け整理、誓約書・役員等調書)

  4. 所轄庁へ提出(窓口・郵送・オンラインの取扱いは自治体により異なる)

  5. 審査(不明点照会への対応、追加資料の提出)

  6. 許可通知・許可票整備(営業所掲示、台帳への反映、公共工事の登録連動 等)

※ 申請先や細かな様式・運用は都道府県により差があります。事前に最新の手引・様式を確認しましょう。



よくある質問(Q&A)


Q1. 「経営業務の管理責任者」は社長でないとダメ?
A. いいえ。常勤役員のうち1名で要件を満たせば足ります。個人事業主の場合は本人または支配人が対象です。


Q2. 専任技術者は現場にも出られますか?
A. 出られます。ただし、営業所に常勤して専ら職務に従事できる体制が前提です。長期出張や他拠点との兼務は原則不可です。


Q3. 自己資本が不足しています。どうすれば?
A. 残高証明(28日以内発行)で500万円以上を示すルートが使えます。中長期的には増資・利益確保で自己資本の厚みを作るのがおすすめです。


Q4. バーチャルオフィスでも申請できますか?
A. 原則不可です。実体ある営業所(常時使用・表示・固定電話・什器)が必要です。


Q5. どの業種で申請すべきか迷っています。
A. 実績・資格との整合性が重要です。当面受注が見込める業種から開始し、要件が整い次第業種追加を検討するのが実務的です。



申請準備チェックリスト(抜粋)

  • 〔経営〕常勤役員の経営経験の裏付け(在任期間・権限委任)が揃っている

  • 〔保険〕健保・厚年・雇保の加入が最新状態で確認できる

  • 〔技術〕各営業所の専任技術者が学歴・資格・実務経験のいずれかで適合

  • 〔実績〕工事内容・期間・金額の分かる実務経験証拠が連続性をもって揃っている

  • 〔資金〕自己資本500万円以上または28日以内の残高証明500万円以上を準備

  • 〔営業所〕賃貸契約/使用権限、社名表示・固定電話・什器・写真が用意できる

  • 〔欠格〕役員・重要使用人の欠格事由の確認と誓約書準備

  • 〔業種〕実績・資格との整合が取れた申請業種の選定が完了


まとめ


知事の一般建設業許可は、

  1. 経営体制、2) 専任技術者、3) 資金力、4) 欠格非該当、5) 実体ある営業所、という5つの柱の“全部”がそろって初めて前に進みます。どれか一つでも弱いと、審査で立ち往生します。ポイントは、「言える」だけでなく「証明できる」形にすること

これから申請を目指す方は、上のチェックリストを基に不足箇所の是正→証拠化→申請の順で整えていきましょう。丁寧な事前準備が、ムダな差し戻しや機会損失を防ぐ最短ルートです。


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リーガラクト行政書士事務所

住所:東京都羽村市五ノ神ニ丁目8番地46

電話番号:050-8894-0698

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